(つづき)
なぜこのタイミング(6月〜)で、突然カフェを始めようと考えたのか?
このことに唐突さというか、不自然さを感じられた方も、多かったかもしれないと思っています。「いや、カフェは、自分は別に、求めてない、かな…」と。特に、デリ業態になってから新たに多くいらしてくださるようになった、ファミリー層のお客様には。
カンティーヌ時代から当店をご利用だったお客様には、まあ、あの店主だったらやってもおかしくはないかな、と思われたかもしれませんが(笑)。
その意図は過去にご案内したように、
「コロナ禍も落ち着きを見せ始め、とうとう新しく社会が本格的に動き始めていく中で、この抑圧された2年間の『リハビリ』――ちょっと外出したい、少しゆっくりと外食をしたい、となってきた気持ちと、依然としてなんとなく不安が常態化してしまった心理を、実際の行動に慣らしていくためのプロセス――として、気軽に外出・外食できる『場』である、カフェをご利用ください。」
という思いがありました。
意識変容、行動変容があって、その継続の結果さらに意識変容が定着して、生活スタイルそのものの感覚が自宅中心・近隣中心に変わってしまった方も多いと思われる中、やはり日常の中でもちょっと非日常気分になれるような「場」を作りたいな、と思いました。
そして、
「今までおかず買って帰るだけだったけど、店内で座って食事すると、こんな雰囲気なんだ…」
ということを、体感してもらえる機会をまずは提供したい、ということも、同時にありました。
「空間はカフェ、使い方は食堂、体験はレストラン。」
というとんかつカンティーヌのコンセプトは、常に健在なのです。
しかし、です。
実際には。
本当のところを言うと、それは「カフェをやりたいな」という「積極的理由」のほうの説明であって、
それに先立って、「デリ業態を、これ以上続けるわけにはいかない。一刻も早く、デリ業態は終了させなければならない。」と考えるに至らしめた圧力的状況も、「消極的理由」として、あったのです。
(つづく)
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